声と歌唱力
ひとが音楽を生み出した初期のころ。
グレゴリオ一世も勿論産まれておらず、音を残すという概念すらなかった大昔の話。
一説によるのだが、まずは、ひとびとは、労働…家事仕事も含めて…を和らげるために、声を
出し始めたという。その声に、労働に伴うリズムが付加した。和らげるための必需であったのであろ
う。そしていつしか、その声とリズムに節が付いた。音の高低である。それが音楽の最初期である。
そんな話を読んだことがある。
この説をそのままとると、歌をひとが生み出した時に音楽が産まれたといえる。まさに産声を上げた
という訳だ。
音楽を聴く、という時、歌を聴く機会が案外多い気がする。音楽のジャンル分けが余り良く分からない
のだが、さまざまな音楽の中で、とりわけ歌というものは、ひとびとの間に浸透してきた。
自分で歌う、のも結構多いだろう。
歌のうまいひとは多い。表現力も豊かで、思わず拍手したくなる。
その中でプロになって、成功するのは大変な苦労であろうと想像出来る。
今日は自国語で歌う歌手の中で、曲を書き、詞を書き、歌を歌うひとについて書いてみる。
井上陽水である。読み方は違うが、これが本名であるというのもちょっと驚きである。
彼は歌がかなり上手い。プロの中でもトップクラスだろう。曲も良い。自分が好きだということを
除いても良い曲を書いている。そして歌詞が良い。詩と呼びたくなるような、歌詞を書き、歌う歌手
はなかなかいない。音に言葉を乗せるのか、言葉に音を乗せるのか。そのさじ加減は分からないが、
呼吸というか、メロディーの切れ目に歌詞が上手くハマり、極めて自然に聴こえる。それでいて、
歌詞に使われているのは突飛な言葉ではないのだ。言葉の組み合わせの妙が、びっくりするような効果
を上げている。
今日、私は、ピルケースを失くした。数年来使っている、プラスチックのシンプルな形のもので、
気に入っていたのだが、探しても探しても見つからない。井上陽水の夢の中への歌詞の気分である。
以下が夢の中への歌詞である。良かったら読んでみて、出来れば曲とともに聴いて欲しい。
a href=http://www.utamap.com/viewkasi.php?surl=35679 target=_blank>井上陽水さん『夢の中へ』の歌詞