皆川さんがウキウキしている時は…音楽の泉
ちょっと最初の部分を聴けなかった音楽の泉。戻ってきたらやはりモーツァルトだった。
日曜の朝と言えば音楽の泉、このラジオ番組が定番となって久しい。
皆川氏については以前も書いて良く読んで頂いているので良かったら。
皆川氏がマンハイム時代が…と言っていたのでもしかしたらと思いながら戻って来たら、
フルート四重奏曲を流しているので(聴けばモーツァルトと疑うべくもないメロディであった)
今日は皆川氏も聴いていて嬉しいだろうと想像した。
皆川達夫氏はルネサンス時代の音楽の専門で、どちらかというとロマン派初期以前の音楽を
好んでおられるふうである。
勿論さまざまの音楽を知り、聴いてきてまた、羨ましいほど演奏家の充実した時代にその演奏に
直に接していたご様子であるから、一概にこうとは言えないのは分かっているが、好きだと思われる
音楽を流したあとの感想の熱の入り方で段々どのような音楽が好みなのか推察できる感じがしている。
個人的にも、ルネサンス期の音楽はともかく、皆川さんが「素晴らしい音楽でしたね」
「このような音楽を聴くことが出来るわたしたちは幸せです」などとおっしゃる音楽は、たいてい
自分も好きな音楽であることが多いので、皆川氏がウキウキしている音楽の泉では私も大抵嬉しい朝で
あるのだった。
先ほどモーツァルトがフルートが好きでなかった(手紙にフルートの音が耐えがたいと書いている)話が
出たが、このような時も「専門家が語る」口調でなく、「皆さんお聞きになるとびっくりなさるかもしれませんが
実はモーツァルトは…」と言った話し方をするのも好ましい。
モーツァルトの時代のフルート
モーツァルトの時代、18世紀半ばから後半の頃のフルートという楽器の特性として、音程が不安定と
いうものがあり、それで好きでなかったのだろうということはまあ知られてはいるから、
少しクラシックが好きなどというひとだといかにもという話し方になったりするのだが、やはり
ほんものの専門家というのは、そしてまた皆川達夫という人物は違うのだな、いいなあと思わされる。
こういうひとがラジオ番組で曲の解説をしてくれるのを聴くことが出来る幸せな朝である。