2014年2月23日
猫さまざま
何匹かの猫と縁があって、飼っていた。
過去形であるのが寂しいが、飼っていたときは楽しいものであった。
猫にもいろいろいて、のんびりした猫、ちょっと神経質な猫、間抜けな猫、頭の良い猫など、
さまざまであったが、食べ物の嗜好にも個性があった。
例えば、ホウレンソウが好きな猫。トウモロコシが大好きな猫。この辺はちょっと変わっている
気がする。また、甘い物が好き、というのは良く聞く話だが、うちで飼った猫は特に甘い物好き、
は居なかった覚えがある。チーズが大好きな猫はいた。
一度、狩りの得意なメス猫が、座っていた私の足元に、雀を持ってきたことがあった。これをお食べ、
という母猫の気分なのか、ほら、良く獲ってきたでしょ、という自慢なのか。いずれにしてもどうすれ
ばよいのかなやんだが、猫が直ぐには見つけられないような場所を庭の中に探してそこに置いた。複雑
な気分である。猫を怒るわけにもいかない、狩りは本能だからだ。
反対に鳥が庭に来ると怖がるような猫もいた。狩り自慢の猫は、鳥は好きだったが、案外臆病な
ところもあり、雷が鳴ったりすると、私と一緒に部屋のすみで丸まっていた。私も雷は怖い。
猫も、数匹でもいろんな猫がいたから、いわんやひとにおいてや、であろう。
最後に飼っていた猫が居なくなってはや七年余り。近所や道端で猫を見かけると、ついつい、声を
かけてしまう。反応があるとかなり嬉しくなる。
ここ数年は猫のカレンダーを毎年使っていて、その写真の猫に向かって、ときどき話しかけたりする。
そこにも実にさまざまな猫が居て、豊かな表情で私を迎えてくれるのだ。