三十三歳で早世した天才ピアニストDine Lipatti

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ディヌ・リパッティについては数か月前にリパッティは素晴らしいピアニストだと再認識した

に書いたが、先日再びラジオで取り上げられたので、改めて書いてみる。

標準音楽事典によると、

1917.3.19~1950.12.2 ブクレシュティ音楽院に学び、1934年に

ヴィーン国際音楽コンクールに2位入賞した際、審査員の一人であったコルトーにその才能を

高く評価され、パリにまぬかれたのち、作曲や指揮も学びながら研鑽をつんだ。

大体前に書いたのと同じような内容があっさり書かれているだけである。

くだんのラジオ番組は、最初の方しか聴くことが出来なかったのだが、20代の後半に

体調不良を感じ、結果白血病である(正確な病名は失念した)と判明、治療しつつヨーロッパの

あちこちで演奏活動を積極的に行っていたという内容を紹介していた。

その演奏は、破たんのない粒ぞろいのタッチと揺るがない技術、音楽性の豊かさなどで

彩られた優れたものである。病の影など感じる余地はない。

壮絶とも言われる最後のコンサートでは、プログラムの曲を大方弾き終えたところで倒れ、

それでも一曲以外すべてを演奏しきったという。

命を削るように演奏家は演奏をするとも言われる。音を楽しむ余裕などそうそうは無いのである。

以前、音楽活動をしている知人と話したことがある。

リパッティは「苦労の後の全く見えないピアニストだ」という意見の一致をみた。

いともたやすく音を紡ぎ出す、そんな演奏なのである。

三十三歳という、これからという年齢でこの世を去ったリパッティだが、遺された演奏からは

彼の音楽のゆたかさを感じずにはいられない。

もし機会があれば、是非ディヌ・リパッティというルーマニアのピアニストの演奏を聴いてみて頂

きたいと思う。

 

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