ジャズのギターと言えばケニー・バレル

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ジャズギターというと、日本でお馴染みだったり人気のあるのは、ウェス・モンゴメリーやジョー・パス

それにグラント・グリーンなどを思い浮かべるが、私にはケニー・バレルが非常に心地よいギタリストで

ある。

まず音が好きだ。どんな名手でもたまに発してしまうらしい、キーンというかすかな金属音を、少なくとも

この人のCDでは耳にしたことが無い。

MJQのオータム・イン・ニューヨークの話を少し前に書いたが、バレルというと「ミッドナイト・ブルー」

が凄いアルバムということになっているようだ。私としては、かなり後年の「ロータス・ブロッサム」等も

好きなのだが。

そして、テナー・サックス奏者のアイク・ケベックと競演している「ソウル・サンバ」これがまた非常に

優れた名盤だとも思う。

早世が惜しまれるサックス奏者であったケベックは、セロニアス・モンクなど、のちにジャズ界に

欠かせない天才的なプレイヤーたちを世に送り出すきっかけを作ったひとでもあったそうだ。

その演奏は…好みがあるかも知れないが、肺に病気を持つひとがこんなふうにふけるのかと、あとで

感慨深く思うほど、どこか魂を揺さぶられるような、かすれた部分と芯の通った部分の見事に絡み

合った、素晴らしい演奏をしているのだ。

このアルバムでバレルは後輩のジャズミュージシャンとして参加しているようだが、まったく見劣り

することなく柔らかく美しい音色を聴かせていて、何度もこのアルバムを聴くと、きっと二人のファンに

なるだろうと思うような出来映えである。

そしてまた、ボサノバのイメージ自体を覆すかも知れないような、そんなアルバムだ。

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