2014年8月10日
蝉と台風
台風11号が猛威をふるっている。
私の居住する場所より、随分はるかかなたに台風はおわすのだが、風雨ともに強い。
今はそれがぱったり止んで、不気味な静けささえ感じる。
風雨の合間を縫うかのように、蝉が鳴いている。
低気圧のせいで幾分だるい感覚を持っている自分は蝉のエネルギーは大変なものなのだろう、
などと考える。ちょっと分けて貰いたい、などとも思う。
ちょっと経つうちにまた薄日があたっていたのが、曇りがやや濃くなってくる。
雨のうちには蝉は鳴かずにじっとしているのだろう。
私は仕事の傍ら、バッハを聴いている。
今日聴いているのは管弦楽組曲であるが、バッハの管弦楽曲は比較的、構えずに聴くことので
きる音楽が多いと思う。
構えてしまうのは、自分が鍵盤楽器が専門であるから、というだけでなく、
何か理由がありそうだと思うのだが、みつかりそうでまだ答えは見つかっていないのだ。
もやもやと頭の中にあるそれらを、すっきりと、文字に出来れば気持ちよかろうな、と思う。
尤もバッハの音楽自体は、そんな凡才のぼやきのような悩みには盤石のごとしなのだが。
まだ風はきついが、雨が降らないでいるので蝉は鳴き続けている。
バッハを聴きながら、さらにその「表側」に蝉の鳴き声を聴いている。
そんな台風の一日である。