2014年1月30日
五感の話
別に難しいことを考えていたわけではない。いつもなんとなく頭に思い浮かぶことがあって、
それをとりとめもなく考えている、そんな具合の話である。
古来より、五感とは、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を指す、という。
触覚以外はすべて首から上で感じるものである。感じるという表現が正しいかは分からないが。
これは、より脳に近いということと関係があるのだろうか。
歯医者に通っていたときのこと。歯科医が言っていた、歯医者が好きってひとはまずいないよ、僕だっ
ていやだもん。思わず笑ってしまったが、その時何故、同じ注射でも、手や腕にする注射は平気な
のに、口の中への麻酔は不安だったりするのか、と問うてみたところ、歯科医曰く、それはね、やはり
人間ていうのは自分で分からないことに怖さを感じるものだからじゃないかな、という。なるほど、
と思った。自分で見たり確認出来ない、という所が不安につながるらしい。
では音楽とはなんだろう。
楽譜においては目に見えるが、音は目に見えない。
耳で捉えて聴くものだ。でも不安を誘うような音楽ばかりでないのは、誰もが感じる所ではないだろう
か。
そんなことを考えつつ歩いていたら、ふと、よその庭に、鮮やかな花を見た。
これは視覚によるものだよな…
考えながら、苦笑してしまった。視覚云々と考える前に自分が捉えたのは、濃い緑の葉に縁取られ
た、深みを帯びた紅の花の強い印象だったのだ。
他は蛇足である。
このブログでも、自身の五感が捉えた様々な事を、明快に、なるべく余分なことを廃して、書いてみた
いものだとしみじみ思う。