ハイドンのピアノ曲

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ハイドン。この作曲家の肖像画が音楽室にあったか覚えていないのだが、交響曲の父、

として習った覚えはある。

確かに、その生涯に104もの交響曲を残したわけだが、数だけで父とは呼ばれまい。

質が問題であったし、古典派の中で、様式として交響曲を確立した、そのような存在であっ

たからなのだと思う。

今朝、彼のピアノソナタを聴いていて、いいなあと改めて思った時に、ちょっと思い出した

ことがあった。

この作曲家は、前にも少し触れたがモーツァルトと親交があり、互いに敬愛の念を抱き

その音楽においても影響を受け合ったのだが、交響曲や弦楽曲において、とりわけその

影響の跡が「見てとれる」のだ。以前、初期のモーツァルトってこんな交響曲書いてたっ

け?とラジオで流れてきた曲を聴いていたが、なんだか微妙な違和感は感じた。ようするに

モーツァルトかどうか分からなかったのである。蓋を開けてみると、ハイドン作であった。

たまに、そんなことがある。こちらの記憶力のせいかもしれないが、あるフレーズだけ取り上

げれば誰が書いたのか分からない、そんなことは他の作曲家でもままあることなのだ。

しかし、ピアノソナタではハイドンはあくまでハイドン、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンな

のであって、聴き誤ることの稀な感がある。不思議である。

ホロヴィッツとグールドの演奏で聴くことが多いが、どちらも好きだ。

後期のハイドンのソナタの充実した円熟した味わいは、なかなかのものである。

朝から贅沢な気分を味わっている。

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